流行の悪役令嬢ものの型を下敷きにした、悪役令嬢通り越して女王様・覇王様なビクトリアとその伴侶となるフレデリック(王子→国王)、そして周囲の人々が繰り広げるコメディ。「小説家になろう」掲載作です。
プロローグでフレデリックが婚約破棄を言い出したあとの、ヴィクトリアの返答から怒涛の勢いで事態を収束させていく流れがもう楽しくて仕方なかったです。各話の基本的な流れとしては、とてつもなく有能で鋼のポジティブメンタルのヴィクトリアが、覇王オーラで周囲を魅了しぐいぐい問題解決に話を持っていくというもの。登場人物たちの行動にツッコミ入れまくりの地の文も含めて、ある種お約束的なコントというか新喜劇というか、まあそんな感覚で読めました。
また、そんなヴィクトリアが幼い頃からフレデリック一筋で(本人曰く「殺すほど愛している」)、フレデリックもなんだかんだヴィクトリアを愛している関係が頻繁に描かれるのにとてもニコニコしました。壁ドンとか押し倒しとかすぐ積極的な行動に移る肉食系王妃とそんな王妃にときめく小動物系王様の組み合わせ、実に良きもの。
この調子で今後も突き進んでいくんだろうなー的な、みんなハッピーな雰囲気で幕。最後まで楽しく読めた作品でした。
The post 『ヴィクトリア・ウィナー・オーストウェン王妃は世界で一番偉そうである』[海月崎まつり/Kラノベブックスf] first appeared on 趣味の店・空想堂.